荒木比奈「何百回目のプロポーズ」
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15:名無しNIPPER[sage saga]
2020/03/30(月) 23:14:59.50 ID:nJ12rVXd0
 一瞬プロデューサーが強張って、でもすぐ柔く溶けて受け入れてくれた。拒んだり指摘しないでいてくれた。私の言葉を遮らず、ちゃんと聞いて受け取ってくれた。
 今はまだ建前無しで応えられない私のことを、でもちゃんとこうして応えてくれた。
 ぽかぽか、と嬉しくなる。これまで何度も繰り返してきた、きっとこれからも繰り返す、いつか本当になるプロポーズ。それにとても。とってもとっても。

「……プロデューサー」
「ん……」
「良かったっス。今度のは。すっごく」
「そっか」
「はい。……それで、だから」
「うん」
「もうちょっとだけ、このままで。もうちょっとだけ……シミュレーション、もうちょっと……」
「いいよ、もちろん。気の済むまで」
「ありがとっス。……その、プロデューサー」
「何かな」
「大好きっスよ。本当に、本当に、心から……愛、してまスから」


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