35:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 16:57:47.50 ID:O0jAO63X0
――翌朝
紬「あなたがエミリーさんですね。お話は伺っております」
エミリー「お初にお目にかかります。祈祷師さまでいらっしゃいますね。よろしくお願いいたします」
紬「こちらこそ。……ふむ。見たところ、あなたには霊能力などの特殊な素養は備わっておられないようですね」
エミリー「ええ。私はごく普通の人間で間違いないでしょう。これまでそのような力とは無縁で過ごしていました」
エミリー「無論そんな私がたった二日で鬼を退治するほどの力を身に着けられるなどと、思い上がった考えを抱いているわけではありません」
エミリー「ですが、それでも行動したいと思いました。これは私の願い。お殿様にも手出しは無用とお伝えいたしました。誰に頼るでもなく、他ならぬ私が刀を取り立ち向かうべきことなんです」
紬「それほど強い思いをもって取り戻したい人がいると……そういうことなのですね」
エミリー「祈祷師さま、私はどんな厳しい修行にも耐え抜いてみせます。ですからどうかご教授ください。私に、育吾郎さまを鬼から取り戻すすべを」
紬「あなたの思いはよく理解できました。ええ。私なら力になれるはずです」
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