3:名無しNIPPER[saga]
2020/03/25(水) 23:29:00.13 ID:CTG1QIS00
「その命ですけど…鱗滝さん…今更ながら本当にありがとうございます…」
俺は目の前にいる鱗滝さんに深々と頭を下げながら礼を述べた。その理由はこの間の柱合会議にあった。
あの時、俺たち兄妹は鬼殺隊の柱に囲まれて処刑されるかの瀬戸際に立たされていた。
鬼殺隊の使命は鬼狩り。それなのに俺は鬼と化した妹を連れて歩いている謂わば異端の存在。
つまり俺たち兄妹は他の隊士たちにしてみれば十分に規律違反を犯しており処刑されても文句は言えなかった。
そんな俺たち兄妹に救いの手を差し伸べてくれたのが鱗滝さんと…それにこの場にはいないけど俺たちの恩人である冨岡さんだった。
二人は以前からお館さまに直訴の文を出しており、もしもの時は自分たちが腹を切って責任を取るとのことだった。
鬼殺隊の剣士は鬼狩りを宿命としている。
そんな中で異端の存在である俺たちのために命を投げ出す覚悟で庇ってくれた。
あの窮地において俺たち兄妹をそこまで信じてくれた鱗滝さんと冨岡さんには感謝してもしきれなかった。
「感謝など無用だ。ワシはお前の育手。教え子を信じるのに命を掛けるのは当然のことよ。」
「それでも…本当にありがとうございます…俺たち兄妹はきっと応えてみせます。」
「うむ、その心意気だけで十分だ。」
心意気だけじゃダメだ。俺は絶対に成し遂げなければならない。
すべての元凶である鬼舞辻無惨を討ち果たす。そして妹の禰豆子を人間に戻す。
それこそが俺たちを信じてくれた冨岡さんと鱗滝さん、それに命懸けで俺たちを守り抜いてくれた煉獄さん。
みんなが俺たちを信じてくれた。ならば信じて突き進むだけだ。
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