12:名無しNIPPER
2020/03/20(金) 21:39:01.95 ID:N9Z2+gYcO
「けど、凄いですね!鴉を飛ばしたのはついさっきだったのに、その間に義勇さんの分の夕食まで用意するなんて」
義勇は元々は蝶屋敷に寄るつもりは無かった。傷薬の軟膏も柱である義勇が使うことは少ない。大概はその場に居合わせた平隊員の治療に使ってしまう。自分で使っているわけではないからか、無くなって初めて気がつくのだ。今回もたまたま居合わせた炭治郎の傷に塗ろうと取り出すと残りが僅かなことに気がついたのだ。そこから鴉を飛ばして時間にして一時間程。その速さでもう一人分の夕食を追加するとは、炭治郎はアオイの手際の良さに驚愕していた。
13:名無しNIPPER
2020/03/20(金) 21:39:32.92 ID:N9Z2+gYcO
「いえ、水柱様の分は元々作られていましたよ」
「ん?」
ここで炭治郎はある違和感に気づく。
14:名無しNIPPER
2020/03/20(金) 21:40:03.32 ID:N9Z2+gYcO
「おかえり、炭治郎」
そんな違和感に首を捻っていると、カナヲに声をかけられた。
「ん?あぁ、ただいまカナヲ!」
15:名無しNIPPER
2020/03/20(金) 21:40:30.70 ID:N9Z2+gYcO
「何故かわからないんですが、夕飯が鮭大根の日には水柱様がいらっしゃるんですよ」
そんなことがあるのだろうか。にわかには信じがたい。
「アオイさんが鮭大根を作るのを義勇さんが察知してるんですかね?」
16:名無しNIPPER
2020/03/20(金) 21:41:27.17 ID:N9Z2+gYcO
「鮭大根だけは、毎回師範が作る…」
「しのぶさんが?どうして?」
「しのぶ様曰く、『これしか作れないんですよ』って…」
なるほど、起きている時間の全てを鍛錬と鬼狩りに費やすのが鬼殺隊。しのぶはそれに加えて治療や毒の調合も行なっている。料理など勉強する暇などない。作れる料理が一つだけでも別段不思議はない。けれど…
17:名無しNIPPER
2020/03/20(金) 21:41:58.61 ID:N9Z2+gYcO
「どうして鮭大根なんだろう?」
作れるのが鮭大根というのが引っかかる。決して作りやすい料理ではない。その上有名なわけでもない。そんな料理だけが、どうして作れるのだろうか。
18:名無しNIPPER
2020/03/20(金) 21:42:29.23 ID:N9Z2+gYcO
「さぁ…そこまでは…」
「それに…」
「お!権八郎じゃねーか!勝負しろ!」
「おい!止めろよ!伊之助!」
19:名無しNIPPER
2020/03/20(金) 21:42:56.95 ID:N9Z2+gYcO
「それよりほら、もう風呂入らないと夕飯に間に合わないぞ?」
「あ!?もう、そんな時間だったのか!」
善逸の一言でふと我に帰る。随分長い間話をしていたようだ。三人は夕飯を食べる前に風呂に向かうことにした。
20:名無しNIPPER
2020/03/20(金) 21:43:27.47 ID:N9Z2+gYcO
「がははは!俺が一番だ!」
「こら、伊之助!廊下は歩かないとダメだろう?」
風呂から上がるなり、伊之助は走り出して一目散に食堂に向かっていった。炭治郎は最初、まだ脚の怪我が治っていない善逸を助けて一緒に行こうとしたが。善逸の方から
21:名無しNIPPER
2020/03/20(金) 21:44:09.42 ID:N9Z2+gYcO
「…」
「あら、伊之助くん、炭治郎くん、いらっしゃい」
食堂には義勇としのぶが居た。しのぶの方は食べ終わっていたが、義勇の方はまだ鮭大根を残していた。
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