25:名無しNIPPER[sage saga]
2020/03/19(木) 22:50:20.19 ID:z07AMiQQO
「……なんだか元気がなさそうですけど、大丈夫ですか?」
羽沢つぐみはそんな紗夜を心配そうに見つめる。何か力になれることがあるなら手伝いたいという気持ちになっていた。
「…………」
対する紗夜は、そんな風な顔を見せられるともうどうしたらいいのかわからなくなる。
それは主に羽沢さんのせいなんですよ……と言いたい。そう、言いたい。でも言えない。言えるわけがない。ただでさえ日菜が日頃から迷惑をかけているのに、『ラーメン屋にひとりで入るところを後輩に見られるのが照れくさい』だなんて口が裂けても言えない。
どうしよう。本当にどうしようか。紗夜は悩む。
やっぱり諦めるべきなのか。この運命はdestinyの方じゃなくfateの方だったんだと、そう割り切れということなのか。そうなのか。もし神様が本当にいるとしたら、なんてタイミングで私と彼女を引き合わせるのだろうか。きっと神様というのは生粋のサディストか性悪なんだろう。
そう悶々と思い惑う紗夜に、救いの手は思わぬ形で差し伸べられた。
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