5:名無しNIPPER[saga]
2020/03/17(火) 21:39:04.71 ID:xmNjixo30
また急な話だ。勢いで言いたかった話をしてしまうつもりだろうか。ミミちゃんは一拍間を置いて深く呼吸をすると、話を続けた。
「私達が会ったのが、あんたが13歳の時じゃない。正確にはまだ先だけど、もうすぐ出会って10年も経つのよ」
「…10年。そっか、確かにそうだね。もうそんなになるんだ」
わたしがアーランドの冒険者ギルドでミミちゃんとクーデリアさんが言い争うのを見てから10年か。そう言われると、なるほど感慨深いものが沸いてくる。様子がおかしかったのは、10年という一つの区切りで張り切っていたということだろうか。
「あ……あのね。今日は言ってしまうけれど、あんたには本当に感謝してるの。トトリと出会ってなかったら、きっと私、すごく嫌な女になって…自分のこと、嫌いになっていたと思う」
そんなふうに素直に感謝されると、少しくすぐったい。わたしがいなかったとしても、ミミちゃんが自身を誇れないような道に進むなんて到底思えなかったから。わたしが彼女にどれだけのことをしただろうか。
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