【鬼滅の刃】しのぶ「バレンタインデー」
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39:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:18:03.54 ID:ViqLDuZYO
「あ、冨岡先生ー!」
「っ…」

 もうその場にはいられなかった。気付いたら走り出していた。みっともないみっともないみっともないみっともないみっともないみっともない…なんですか、今の感情は…こんなの…こんなの『嫉妬』以外の何でもないじゃないですか…


40:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:18:36.78 ID:ViqLDuZYO
「私…冨岡さんのこと…好きだったんですね…」

 乾いた笑いしか出てこない。姉にも言われていた。あんなに言われていたのに、あんなに長く一緒にいたのに、気付いたのは今更だなんて滑稽すぎる。



41:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:19:15.35 ID:ViqLDuZYO
「でも…無理ですよ…あの子たちに…勝てるわけ」

 普段から、歳下のくせに生意気なことばかり言って、口を開けば憎まれ口、嫌味な言い方しかできないし、こんな時でさえ理由をつけて義理チョコしか用意できない私より、あの子たちの方がよっぽどストレートに感情をぶつけている。



42:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:19:46.88 ID:ViqLDuZYO
「ひっ…うっ…うぐっ…」

 涙がこぼれ落ちてくる。自覚した恋がその瞬間にで失恋だとわかる。もっと素直になれば良かった。わかっていたはずだったのに。そんな想いが溢れてくる。みっともないみっともないみっともないみっともないみっともないみっともないみっともないみっともない…


43:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:20:17.89 ID:ViqLDuZYO
「胡蝶…」
「…どうしたんですか、冨岡先生」

 最悪のタイミングで冨岡さんがやってきた。どうしてこの人はいつもいつもタイミングが悪いんでしょうか…



44:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:20:51.90 ID:ViqLDuZYO
「急に走っていくお前が見えた…泣いて…いるのか?」
「…さぁ、だとしても先生には関係ありませんよね」

 この人にはデリカシーとか無いんでしょうね。いつもの調子で返す私も私ですけれど…



45:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:21:23.86 ID:ViqLDuZYO
「胡蝶…泣くな」

 もっと気の利いたことは言えないんでしょうか。

「…俺はこう言う時に気の利いたことは言えない」
以下略 AAS



46:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:21:54.85 ID:ViqLDuZYO
「だから…その…お前に泣かれると…どうすればいいかわからない…」
「っ…」

 この人に他意はない。顔見知りが泣いていたから心配した。ただ単にそれだけ。本当にそれだけなんです。けど、それでも…私を追いかけてきてくれたことが、他の何をおいても私を心配してくれたことが、たまらなく嬉しいんです。


47:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:22:25.89 ID:ViqLDuZYO
「…冨岡さんのせいですよ」
「何!?」

 こんなわかりきったからかいも本気で反応している。そう、こんなところも好きだったんです。


48:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:22:56.64 ID:ViqLDuZYO
「その…すまない…俺は…その…どうすればいい?」
「…それなら、これ…受け取ってください」
「これは?」
「ふふふ、『義理チョコ』ですよ」

以下略 AAS



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