27:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:10:50.16 ID:ViqLDuZYO
「誰にあげるの?」
「姉さんよ!」
「…」
カナヲがびっくりしている。驚きのあまり声も出ないみたい。可愛いわね。流石私の自慢の妹だわ。
28:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:11:32.83 ID:ViqLDuZYO
「姉さんなら、美人だし、可愛いし、何より私が大好きだから!誰からも疑われないわ!」
流石に渡す相手、それも本命の相手に見られながらチョコを作るだなんて意味がわからない。だから今年は姉さんに席を外してもらったのだ。
29:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:12:08.40 ID:ViqLDuZYO
「あの…姉さん…」
「あぁ、違うのよ!カナヲが好きじゃないってことじゃないの!もちろん大好きよ!でも、カナヲには炭治郎くんがいるじゃない?私が割って入るとややこしいでしょう?」
私は妹の幸せを心から願っているのだ。けれど、どうしてだろう。カナヲからは諦めの目線を感じる。
30:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:12:37.18 ID:ViqLDuZYO
「…まぁ、姉さんがそれで納得するなら…」
「ふふん♪姉さんにはとびっきりのガトーショコラを作るわ!」
今日悲しませてしまった分も、いっぱい喜んでもらわないとね。
31:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:13:03.67 ID:ViqLDuZYO
「それで?冨岡先生にはどんなチョコを?」
「あぁ、冨岡さんには義理チョコを贈るわ」
「うん、だから、どんな義理チョコを…」
「どんなって『義理』って書くのよ」
「は?」
32:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:13:54.56 ID:ViqLDuZYO
「姉さん…私、どんなことになっても姉さんの味方だから…」
「カナヲ…」
なんていい子なんでしょう。流石私の自慢の妹ね!
33:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:14:23.89 ID:ViqLDuZYO
「大丈夫…大丈夫…しのぶ姉さんは大丈夫…」
作戦の成功をこんなに祈ってくれるなんて…なんだかうわ言のようにも聞こえるけれど、気のせいでしょう。
「おかしくなんてない…おかしくなんてなってない…」
34:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:14:51.32 ID:ViqLDuZYO
「…書けない」
そう、『義理』と書けないのだ。画数が多すぎる。
「そもそも、土台のチョコが小さいのね…」
35:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:15:30.42 ID:ViqLDuZYO
そして迎えたバレンタイン当日。
「しのぶーーー!大好きぃぃぃい!」
「はいはい…」
36:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:16:30.03 ID:ViqLDuZYO
「…あっ、冨岡先…」
「冨岡先生!」
「あ、トミセン!」
「あ…」
37:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:17:02.50 ID:ViqLDuZYO
「冨岡先生!受け取ってください!」
「いや、俺は…」
「トミセン!あたしのも!」
「いや、だから…」
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