14:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:03:47.10 ID:ViqLDuZYO
「そういうところも、人気なんだって」
「は?」
カナヲは何も悪くないのに、ついつい語気が荒くなる。
15:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:04:17.84 ID:ViqLDuZYO
「ひょっとして…冨岡くんのこと好きなの!?」
「はぁ!?」
姉さんがキャーっと嬉しそうに叫ぶ。可愛い。いや、可愛いけれど!?
16:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:05:00.35 ID:ViqLDuZYO
「ち、違うわよ!そんなんじゃ…」
「じゃあどうして冨岡くんのネクタイを直すの?」
「そ、そんなの…怒られたらかわいそうじゃない…」
「部屋に行ってまで世話をするのは?」
「そんなの、私がなんとかしないと死んじゃうわよ!?」
17:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:05:30.99 ID:ViqLDuZYO
どうするべきか急にわからなくなった。私が冨岡さんのことを好き?そんなわけない。そんなわけ…。
姉さんが「少しイジワルしすぎたかしら」と小声で言いながら、おやすみと言って自分の部屋に戻っていく。私はとても眠れそうにない。
18:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:05:58.18 ID:ViqLDuZYO
おかげで今日は寝不足だ。バレンタインは次の月曜日。土日で準備するためには今日決めなければならない。いっそ辞めてしまおうか…。いや、今まで毎年あげていたのに急に辞めてしまったら、それはそれで私が冨岡さんのことが好きで、意識しすぎているように見えないだろうか。
19:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:06:37.95 ID:ViqLDuZYO
「うーん…」
「どうしたんですか?しのぶ先輩」
「…ん、あぁ、ごめんなさい。何でもないのよ」
後輩のアオイに声をかけられる。寝不足だから仕方ない。断じて冨岡さんのことで悩んでなんかいない。
20:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:07:04.95 ID:ViqLDuZYO
「今日の放課後、お店に寄ってもいいですか?」
「えぇ、いいけれど、どこに?」
「ちょっとチョコレートを買いに」
ほら、バレンタインですし。と続けるアオイ。この子も誰かに本命チョコを贈るのだろうか…具体的には、野性的なあの人に…。
21:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:07:34.60 ID:ViqLDuZYO
「伊之助くんですか?」
「ぎ、義理チョコですよ!義理チョコ!」
義理チョコ?そうよ、義理チョコってはっきりわかればいいんじゃない!
今まで、冨岡さん一人に渡していたから本命だと誤解されるたのよ!それなら、本命のチョコは別に用意して、冨岡さんには義理だとわかるチョコをあげればいいんだわ!
22:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:08:03.18 ID:ViqLDuZYO
「ありがとうアオイ!早速お店に行きましょう!」
「え?お店に行くのは放課後ですよ!?」
逸る気持ちが口に出てしまった。
「一体何のお礼なんですか?」
23:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:08:30.92 ID:ViqLDuZYO
「…という作戦を思いついたのよ!」
「…へぇ」
家に帰って、私はカナヲに作戦の詳細を説明した。カナヲはいつも私と一緒にチョコを作る。本当なら姉さんも職場に配るチョコを一緒に作っていたんだけど、今回は私が無理やり外に追い出した。
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