【アイマス ×鬼滅】しのぶ「多分よくある血鬼術」
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20:名無しNIPPER[saga]
2020/03/05(木) 21:52:47.12 ID:0WI24RkPO
二人はよく私と遊びたがりましたが、私は『遊ぶ』のが苦手でした。だって両親が殺されてから、今までずっと、鬼を殺すこと以外考えたこともしたこともなかったんですから…
「うーん、中々上手にならないねー」
「まさかノブナリがゲーム苦手だなんてね!」
「人をどこかの末裔みたいに言わないでくださいね?」
21:名無しNIPPER
2020/03/05(木) 21:53:20.12 ID:0WI24RkPO
「そんなら次はー」
「三人で楽しめるってなるとー」
亜美ちゃんと真美ちゃんは、別のげえむを探し始めました。私が一緒にできるものを探してくれているようです。
22:名無しNIPPER
2020/03/05(木) 21:53:51.73 ID:0WI24RkPO
思わず声に出てしまいました。けれど後悔はありません。二人はとってもいい子ですから、このままいつまでも私と遊んでくれるでしょう。つまらなくても、退屈でも。けれど、私はいつかは元の時代に戻る…いえ、戻らないといけない。そんな、いつ消えてしまうかもわからない人間に無駄な時間をさく必要はないじゃないですか。
「亜美ちゃん、真美ちゃん。私より、歳の近いお友達と遊びましょう?その方がきっと楽しいですよ」
23:名無しNIPPER
2020/03/05(木) 21:54:36.83 ID:0WI24RkPO
「ど、どうしちゃったのさ…しのしの!」
「そーだYO!亜美たちと遊ぶの嫌になっちゃったの!?」
「そういうわけではないですけれど…ほら、私と遊んでも楽しくないでしょう?2人の好きな『げえむ』も私は得意ではありませんし…」
「…」
「…」
24:名無しNIPPER
2020/03/05(木) 21:55:17.97 ID:0WI24RkPO
「…いや、あのね、のぶのぶ違うんだよ」
「しのしのはね、そっくりなんだぁ…」
「そっくり?誰にでしょう?」
「亜美の…」
「真美の…」
25:名無しNIPPER
2020/03/05(木) 21:55:47.08 ID:0WI24RkPO
「その人は怒るとめーっちゃ怖いけど…」
「本当は誰より真美たちに優しいんだ!」
「けどね、甘えるのがとっても苦手なんだYO!」
いますね、そんな人。個人的に柱の皆さんはそんな人ばかりだと思います。特に不死川さんあたりがそうでしょうか…なんて思っていると。
26:名無しNIPPER
2020/03/05(木) 21:56:17.44 ID:0WI24RkPO
「しのりんはね、似てるんだ…その人に」
「真面目なところも…真面目すぎて無理しちゃうところも…その人に…」
私のことだったんですね…。でも、そう言われると、誰かわからないその人に凄く親近感が湧いてしまいます。きっとその人も、亜美ちゃんと真美ちゃんのことが大好きなんでしょうね。だから無理してしまうんでしょうね。
27:名無しNIPPER
2020/03/05(木) 21:56:45.58 ID:0WI24RkPO
「真美たち、のぶりんのこと大好きだから…少しでもフレックスできたらなぁ…って」
「それを言うならリフレッシュですね」
相変わらず、あだ名は適当でしたけれど、その言葉から、表情から、声色から、私のことを思ってくれているのが伝わりました。優しい子たち。きっと、二人をこんなにも優しくしたのは、彼女たちが大好きだというその人なのでしょうね。
28:名無しNIPPER
2020/03/05(木) 21:57:55.21 ID:0WI24RkPO
「亜美たちは、しのぶんの本当の笑顔を引き出したいんだけどさ…」
「いやはや、うまくいきませんなぁ…」
「本当の…笑顔…」
それは元の時代でも度々言われていたことでした。…主に肝心なことには全く気づかない朴念仁のくせに、余計なことばかりに気付いて口にする水柱の方とか…。けれど間違ってはいません。この笑顔は姉の笑顔。私の笑顔でなくたって、それが一番美しい。二人もきっと事情を知ればわかってくれるはず…。そう思って口を開こうとしたその時でした。
29:名無しNIPPER
2020/03/05(木) 21:58:26.90 ID:0WI24RkPO
「胡蝶…」
「…なんでしょうか?」
噂をすればなんとやら、そこに居たのは某水柱こと冨岡さんでした。噂とは言いますが、私心の中で考えただけですよ?地獄耳にもほどがあります。どうしてこの人は、いつもいつもこんなタイミングでやってくるのでしょう…。
30:名無しNIPPER
2020/03/05(木) 22:02:01.65 ID:0WI24RkPO
「…いや、やはりいい。すまなかった」
「いやいやいやいや、勝手に自己解決しないでくださいよ!気になるじゃないですか!」
「しかし…胡蝶も忙しいだろう…」
日頃から歳下のくせにからかってくる私に助けを求めるほど困っているのに、結局は私のことを考えて相談するのを躊躇する。そういう不器用な人なんです。大方今回もその不器用さでトラブルになっているんでしょう。
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