50:名無しNIPPER[sage]
2020/03/09(月) 00:20:17.41 ID:ExUui72EO
夕立は羽黒の答えを理解できていませんでした。夕立は練習の大切さを知っていても、怒られる意味をまだ知っていないからです。
羽黒「夕立、ありがとうね」
夕立「へ?」
羽黒は立ち上がると、両手で顔をぱちっと叩きました。顔には手の跡がしっかりと残っています。夕立にはさっぱり理解できません。
羽黒「夕立、怒られることは、失敗することは、すごく大切なことなんだよ。それを思い出したわ。だから夕立も、ちゃんと怒られたことを忘れないようにするのよ。ありがとうね」
夕立「はぁ....」
羽黒は、よし、と呟くと手のひらを振ってどこかに行ってしまいました。夕立は一人浜辺に取り残されました。
夕立は立ち上がり、手袋をはめ直しました。西に沈んだ太陽は、いつのまにか居なくなっていました。
夕立「あ、いなくなったっぽい」
太陽を最後まで沈んでいく姿を、夕立は最後まで見たことがありません。それは他の艦娘達もそうで、気がついたら居なくなっています。
夜は勝手やってきて、朝は勝手に訪れます。そうやって、一日はぐるぐると続きます。
こうして今日は、夜になりました。
夕立は、暇な一日が終わるのを見届けて、家に帰って行きましたとさ。
おしまい。
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