8:名無しNIPPER[sage saga]
2020/02/27(木) 01:17:41.64 ID:/796ddojO
「好きだよ」
「 」
漏らせと言われたので漏らしてみた。
反応は劇的であり、女友達は絶句した。
まるでサスペンスドラマのワンシーンのように両手で開いた口を押さえて目を見開く彼女は些か滑稽であり、ともすれば俺を揶揄っているのではないかと思ったが、つうっと、一雫の涙が頬を伝ったのを目撃して、ああ、この女は本当に驚いているのだなと理解し、指先で涙を拭う。
「いくらなんでも驚きすぎだろう」
「だって……信じられなくて」
「とっくの昔に伝わってると思ってたよ」
軽口を叩き合える友人は貴重だ。
歯に衣着せぬ間柄とは、得難いものだ。
その関係性か損なわれることは少々怖い。
しかし、それでも、その先にデレがあるなら。
「本当に、驚いたわ」
「だから、驚きすぎだって」
「だって、まさか、このタイミングなんて」
「もっとロマンティックな方が良かったか?」
「いいえ、そうじゃないの」
首を横に振って、女友達は困ったように笑う。
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