23: ◆/S77t7529g[saga]
2020/03/04(水) 21:20:28.12 ID:RftLSH1c0
ブーディカ
絆レベル1
頼られるのは昔から嫌いではなかった。
しかしこの規模となると、どうだろう? あたし一人の力がどれだけ役に立つか。
それでも戦力は一人でも多い方が良いと言われれば、できる限りのことをやるだけだと腹を括った。
なによりもあたしを召喚したマスターが、どこまでも前向きだったのが印象的だった。それならあたしが改めて何かを言う理由も無い。
いつ終わるかもわからない戦いだが、今回の戦いはなんとなく……そう、最後まで笑いながら終わる事の出来る戦いになる……そんな気がした。
それからそう時間も経たずに、あたしはなんと「キッチン係」になっていた。
日々の戦いに疲れきっていたカルデアの職員たちは、毎日飽きもせずに保存食やら乾パンやらを食べており、そんな状況を見かねて料理を作ったことがキッカケだった。
料理と簡単に言ったが、最初はかなり難航した。まず材料が無い。材料を入手する為には簡易的なレイシフトをして、現地で得たものを魔力を消費してカルデアまで持ってこなければならない。
貴重な魔力リソースを無駄にはできない、と断られたが、マスターが味方をしてくれた。
立香「たぶんみんな気づいてないと思うけど、最近のカルデア内の空気は最悪だよ、まったく士気が高くない。……って、素人判断なんだけどさ。そりゃそうだよ、娯楽も無ければ未来も無い。そんな状況だからこそ、楽しめることはなんでも楽しむべきじゃない? 明日を生きる為に戦ってるのに、今を生きなくてどうするのドクター!」
その言葉に全員が閉口した。マシュもマスター側につき、結局押し切る形で料理をふるまった後のカルデアは、見違えたように明るくなった。
リソースの無駄遣いにはならないことを証明した事で、今後は料理を貴重な娯楽として楽しむことになった。それはよかったのだが……カルデアに残った人間の中に、なんと料理ができる人間が一人もいなかったのだ。
という訳で私が「キッチン係」になってしまった訳だが、料理を作って喜ばれることになるなんて召喚されてすぐの時は思ってもみなかった。
立香「いつもありがとう! ブーディカさん!」
……うん。悪くないね。
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