10: ◆/S77t7529g[saga]
2020/02/26(水) 05:19:44.03 ID:J1GQ90nM0
キルケー
絆レベル1
召喚に応じてカルデアに来た訳だが、どうにも息苦しさを覚える。
マスターは平凡。世界は終わっている。人間たちは誰も彼もが張り付いたような笑顔を浮かべて、目の前の絶望に挑もうとしていた。
呼ばれた以上はやることはやるつもりではいたが、こうも陰気臭いといくら私といえども気が滅入るというものだ。
しかし一つ嬉しい誤算があった。
最初こそ平凡で何の特徴も無いマスターだと思っていたのだが、この状況下にあってもマスターはまったくこれっぽっちも絶望していなかったのだ。
強大な敵に立ち向かうことを恐れてはいたが、震える足を前へ動かし、心の底から楽しみ、悲しみ、怒り、笑っていた。
それは今もっとも必要だと言えるものだ。
とても人間らしい。非常に好ましい。
弱い人間が勇気を振り絞って抗う姿は、とても眩しいものだ。
だから私は彼をこう呼んだ。
愛しい愛しい。
キルケー「ピグレット」
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