15:名無しNIPPER[saga]
2020/02/09(日) 02:28:46.66 ID:QhrXPTvL0
『私は、楽しいよ』
『え?』
『あなたを倒すことを考えると、走るのが楽しい』
『……』
『だから、』
何を言われているのだろうと思ったけど、とりあえず頷く。
すると彼女は目をぱちくりさせて、『いや』とめちゃくちゃ細い声を上げた。
僅かの沈黙。つくったのは彼女。破ったのも彼女。
『……負けないから』
それだけ言い残して、彼女は行ってしまった。
楽しいのか聞かれたと思ったら、私は楽しいと言われて、負けないと宣言されて。
なんなのだ、なにが言いたかったのだ。追いかけようかとも思って、でもそうはしなかった。
わたしに全力で来いと、そう言っているのだけは伝わってきたから。
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