12:名無しNIPPER[saga]
2020/02/09(日) 22:32:11.84 ID:BOVnwNTaO
彼方(ああ…なんでこんなことになってしまったの…)
彼方は謎の青い火の玉を胸に抱えながら三メートルを超える化け猫の攻撃を必死に避けていた。
そして一時間ほど前の自身の行動を悔やんでいた。
教室
彼方(よかった…今日も何事もなく誰にも迷惑をかけないで過ごせた…早く家に帰って家事の手伝いをしないと)
「……なた」
彼方(私は全然ダメだから…頑張らないと姉さんもお母さんも認めてくれない…)
「…彼方!」
彼方「ひゃあ!…ぼ、母字さん お、驚かさないでください!」
文音「ごめんごめん…ずっと声掛けてたのに気付いて貰えなかったから大きな声で呼んじゃった!」
文音「あと!母字さんじゃなくて!下の名前で呼んでって!」
彼女の名前は ボジ フミネ。
新聞部に所属していて姉さん以外で唯一学校で話しかけてくれる友達、いやクラスメイトである。
彼方「あ、あの…わ、私…母字さんに何かしてしまいましたか?」
文音「むぅ…お昼ご飯だって一緒に食べている仲なのに…声掛けただけでそんな怖がらなくてもいいじゃない…」
彼方「えっあっ」
文音「悲しいわ…悲しいから泣いちゃうわ…シクシク」
文音はくるり彼方に背中を向けると泣き始めた。
彼方「ご、ごめんなさい!母字さんが嫌とかそういう訳じゃ!」
文音「シクシク…シクシク」
彼方「な、泣かないでください…ど、どうしたら許して貰えますか?」
文音「じゃあ…私の言うこと聞いてくれる?」
彼方「き、聞きます!」
文音「…なんでも?」
彼方「はい!な、なんでも聞きますから許してください」
文音「……いいわ!許してあげるわ!」
文音は振り返りケロリとした顔で言った。
彼方「へっ?」
彼方(あっあれ嘘泣きだったんだ……でも良かった!本当に泣いてなくて)
文音「じゃあ…行くわよ」
彼方「ど、どこに行くんですか?」
文音「なんでも言う事聞いてくれるんでしょう…私の寄り道に付き合ってもらうのよ」
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