9:伊丹 [sage]
2020/02/08(土) 20:06:17.31 ID:2EYiqEug0
琴葉さんと百合子は電車で帰っていった。
私もあとに続こうとしたら、彼に止められる。
少し乗っていけ、と言われるがままアイドル衣装を積んだ事務所のクルマに乗せられる。
……よほどひどい顔をしていたんだろうか。
そんな顔を彼へ見せないよう、私は助手席の窓へ顔を向け、外を眺める。
今は、それしかできない。
「紗代子…あんまり気にするな。
それにな、こういうアイドル番組は罰ゲームをもらったほうが美味しいんだぞ!
番組Pの受けも良かったし!」
運転しながら、私に気遣って声をかけてくれる彼。
それが引き金となって、私も口を開く。
「……でも、P!
決勝大会は、深夜だけど地上波での放送で!
”あの子“ が、見てくれるかもしれなかったチャンスだったのに!私……っ!」
「…うん、知ってるよ。今日のために紗代子がみんなと雑学の勉強会をしていたこともな」
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