29: ◆u/54BSBlPw[sage saga]
2020/02/08(土) 20:02:52.73 ID:RvB9VQpu0
「ありがとうございます」
なぜかその言葉だけは、すらりと口から溢れた。
「紬さんは、残さなくても良いのだと気付いたそうです」
その言葉はまじないのようで、意味を捉えるのが少し難しかった。
「え?」
「ただ、返したいのだ、と」
「返したい……」
「話が抽象的すぎて、僕には分かりませんでした」
その言い方は、
自分以外の誰かならきっと分かってあげられると信じているかのように、私には聞こえた。
「次、出番です」
仕掛け人さまが、張り詰めた声で告げた。
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