逢坂大河「たまにはいいのよ、たまにはね」
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5:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/23(木) 02:38:10.71 ID:VkxCchnrO
「私はちっとも怖くないわ」

ママはきっぱりそう言って、私の悩みを鼻で笑い飛ばす。しかしそれは解決になっておらず。

「だからそれは私がママの子供だから……」
「あんたにも仲の良い友達くらい居るでしょ」
「それは、小学校からの友達だから……」
「きっと高校ではもっと沢山友達が出来るわ」

何の根拠があるのかさっぱりわからない。
先述した通り母は自信家だ。自信満々だった。
しかし、大半は勘違いであることが多い。
けれど、妙に勘が鋭いことも確かだった。

「どうしてそう思うの……?」
「あんたが私と竜児の娘だからよ」

両親の馴れ初めは何度も聞かされた。
高校時代、それぞれ恐れられていたらしい。
孤立気味だった2人は惹かれあっていった。
私にもそんな相手が現れるのだろうか。

「高校にパパみたいな人居るかな……?」
「竜児みたいに出来た男は居ないでしょうね」
「ママ、私をガッカリさせないでよ……」
「おっと。私としたことが……遺憾ね」

希望を打ち砕かれた私の背中を叩いて、母はなんてこともないように勇気をくれた。

「でもきっとあんたにとっての竜児が居るわ」

根拠はないけれど不思議と信じてみたくなる。


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