男「僕の生徒は亜人だらけ」ミレイア「ろっ、六回目だからって嬉しくないんだからっ」
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639:亜人好き ◆HQmKQahCZs[saga]
2020/09/23(水) 22:17:08.34 ID:RUw4WKmq0
ベール「以前あいつはどこからか魂を吸い込んできたわ」

ルーティ「魂?」

ベール「そう不可知にして証明できず、されど存在することを前提とされているもの」

ベール「あいつの中には魂が二つあった」

ベール「普通、一つの体には一つの魂。それが絶対」

ベール「だけどあいつの体は魂を受け入れていた」

ルーティ「そんな。先生はただの人間よ?」

ベール「たしかに種族、能力、どこをとってもあいつは平凡な無個性な人間でしかない。ただ、あの魂に関しては別」

ベール「あれは1000年以上前からあいつと縁のある『スズシロ』の魂だった」

ベール「1000年以上もの強力な縁が二人の魂を調和させ、本来あり得ない魂の融合を成し遂げた」

ルーティ「だから先生は幽霊に?」

ベール「いいえ。それだけじゃない。あいつは現在においても縁を紡いでしまった」

ベール「『スズシロ』と同質の魂を持つ『ロウェナ』と」

ルーティ「確かに、ロウェナは先生と親しいと言っていいわね。もしかして、だから」

ベール「ロウェナの縁はスズシロほど強くないわ。けれど男の中にはスズシロの魂が混じっていた。同質であれば魂は容易く交わる。けれど同質であって同質ではない」

ベール「縁によって引き寄せられながらも交われないそんな境界が朧気になった魂があるとき、『人間』と『幽霊』の存在を入れ替わらせた」

ルーティ「っ」

ルーティ「ロウェナのせい、なのね」

ルーティ「それで、先生は治るの?」

ベール「治せる。いいえ、治して見せる」

ベール「理論は確立した。だったら後はそれをこねくり回すだけ」

ルーティ「どれくらいかかるのかしら」

ベール「年明けまでには」

ルーティ「そう。ありがとう。あなたのおかげで先生が救われるわ」

ベール「貴方のおかげでもあるわ」

ベール「………一つ思うことがあるの」

ルーティ「何かしら」

ベール「おそらく結末はこうなるわ。男が『人間』になりロウェナが『幽霊』になる」

ベール「けれどそれではまた同じことが起きるかもしれない、だから」

ベール「男とロウェナを引き離した。一生ね」

ベール「幸せな結末にはならない」

ルーティ「大丈夫。だって」


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