142:松坂英治[saga]
2020/03/14(土) 08:43:36.49 ID:oAAzSXD20
「結論から言えば私が取り逃がした魔女の使い魔が元凶だった。すまない」
「っ!!」
思わずほむらはアレイスターの胸ぐらを掴んだ。
その理由は何か?
ほむらは魔女退治においてはあらゆる時間軸の中で何度もマミを死なせてしまっている。だからほむらはアレイスターのことをとやかく言う資格はない。ほむら自身がそう思っている。では何故にここまでほむらが激怒しているのか。
顔をうつむかせながらアレイスターは言った。ただ悔しそうな態度を示す割には声には何の感情もないような気がした。謝ればそれでいい、何の問題もない。そのようなことを言っているようで許せなかった。
まどかとさやかは泣いていた。しかし壊れたブリキ人形のように膝から崩れ落ち、ただ呆然とマミの死体を見つめ、声も出せない程にショックを受けていた。
これもほむらが怒っている理由だ。
彼女達にここまでの精神的ショックを受けさせたのだ。
勿論これはほむらの八つ当たりに他ならない。だがほむらはあらゆる時間軸の中を生きてきたが、彼女とてまだ子供であることに違いはない。鉄の仮面を被ったように無表情で合理的に動く冷たい令嬢というわけではないのだ。自分の感情と向き合い、コントロールする術を完璧に身につけているわけではない。
だからこの場で“悪”というものに八つ当たりにしなければほむらもどうにかなりそうなのだ。
ひとしきりアレイスターの胸ぐらを掴み、睨むと無駄だと悟ったのかほむらは手を離した。
「ごめんなさい、ついカッとなってしまって」
「いや、こちらの方こそすまない」
マミの死体へと目をやり少しばかりか思案して、
「とにかく警察を呼ぶわ。あなた携帯は持ってる?」
「ああ」
警察へ電話し、しばらくすると何台かのパトカーがやって来た。そしてアレイスターとほむらはそうだが一番ショックを受けているまどかとさやかも警察官の指示により別の場所へと移された。
144Res/130.24 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20