138:松坂英治[saga]
2020/03/06(金) 23:03:09.06 ID:X7lQb3+I0
辺り一面血溜まりとなっていた。その血の主だった者、巴マミは血溜まりの中央にいた。しかしそれは少し前までのせめて後輩の前ではと、笑顔だった巴マミではなかった。大型トラックのタイヤの下で横たわっていた。
まず目に入るのが頭部がないところだった。
大型トラックのタイヤによりもう既に頭部は抉られ、削られ、磨り潰されてしまっていた。頭部の残骸であるトラックのタイヤによって掻き出された露出した脳や頭蓋骨、深紅に染まった金髪が細かく散らばっていた
周りは、ここだけは、確かに地獄となっていた。
それにマミの損傷はそれだけでは無い。
頭部程目立ちはしない。だが素人目でも分かる程身体の損傷が激しかった。
腕や脚は驚く程に青く痣が出来ており、真っ青になっていた。それもそうだ。何tとあるトラックが全速力で突っ込んできたのだ。それにあちこち骨折もしているのだろう、身体中がギ酸でもぶちこまれたかのように酷く腫れ上がっていた。右腕に至っては本来ならばあり得ない方向にぐにゃりと折れ曲がっていた。
そしてそんな悲惨な光景を目の当たりにした女子中学生が平然としていられる筈もなかった。
「うっ......うぇっ......」
「あ、ああっ......マミっ......さん......」
鹿目まどかと美樹さやか二人はこんなグロテスクな光景に目を背け、吐き気に襲われながらもそれを耐え声にならない泣き声をあげていた。
「運転手は?」
暁美ほむらこんな状況でも冷静だった。ほむらはアレイスターに運転手についての詳細な情報を尋ねた。
「......いたよ。だが......」
「?どうしたの?」
歯切れの悪いアレイスターに何かあったのか尋ねるほむら。
「運転手は心臓麻痺によって意識不明の重体だった。一応救急車は呼んでおいたよ。......だが問題は何故心臓麻痺が起こったのかだが......」
「それで......?」
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