106:松坂英治[saga]
2020/02/21(金) 07:49:53.46 ID:k8NjExsI0
魔女の結界の中はどれもグロテスクなものだった。そんな目が痛くなるような風景の中をアレイスターは何の躊躇もなく進んでいく。
(しかしまさか一般人であるあのピンクと青が巻き込まれるとはね、監視を続けていて良かったよクソッタレ)
と一人心の中でごちるアレイスター。しかしまだ入り口付近とはいえ魔女の結界の中なのにいまだに魔女の気配やその手下が見当たらない。何かの罠か?とも思ったが攻撃を仕掛けてこない様子からどうやら今回の魔女は相当マヌケらしい。
しばらく進むと何やら先の方から声が聞こえてきた。物陰に隠れじっと目を凝らして見ると、
(あれは......?)
黄色いメルヘン少女と黒と紫のメルヘン少女、それにピンク髪がいた。黄色いメルヘン少女と黒と紫のメルヘン少女は険悪な雰囲気となっており、先程聞こえてきたのは彼女達の口論だろう。そして魔法という武器を持つ彼女らがただの口論で終わる筈もなく、
黄色いメルヘン少女が左手を前へと突きだしたと思った瞬間、地面から大きなリボンがまるで蛇かのようにくねりながら黒と紫のメルヘン少女を雁字搦めに縛りあげた。
(同じ目的だろうに、ナニをやっているんだか......)
と思いつつも黙ってそれを見ているクソ野郎アレイスター。
一方の黒と紫のメルヘン少女、暁美ほむらは焦っていた。
(くっ!このままじゃ巴マミが......!!)
最悪の展開だ。このままでは巴マミはあのお菓子の魔女に殺されるだけだ。あの魔女に巴マミが殺される光景は嫌という程見てきた。そして考えうる可能性の中には全員死ぬ可能性もある。巴マミも美樹さやかも、そして鹿目まどかも。それだけは絶対に阻止しなくてはならない。だが今は巴マミのリボンで雁字搦めにされている。今何も出来ない無力な自分に反吐が出る。
とそこへ、
「何をやっているのかね?」
銀の少女がほむらの下へとやってきた。
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