西片「どうしていつもオレをからかうの?」高木さん「……なんでだと思う?」
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9:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/07(火) 00:30:02.69 ID:ohodlWJqO
「……もう平気」

そう言って顔をあげた彼女の目は、まるでウサギみたいに真っ赤で、酷く胸が痛んだ。

「どうして西片まで泣きそうになってるの?」

どうしてだろう。居た堪れない気持ちだった。

「高木さん」
「なに?」
「オレはどうしたらいい?」

自分はどうするべきか。
泣かせてしまった責任をどう取るべきか。
考えても答えが見つからず、尋ねると。

「おしっこを飲んで」
「えっ?」
「あ、やっぱ今のなし」

びっくりした。
あまりに驚いたので記憶が飛んだ。
もう何も覚えていないぞ。全部忘れたからね。

「あの、西片……」
「なんだい、高木さん?」
「もし良かったら、これを受け取って」

高木さんは鞄の中から何やら取り出して、ふわふわしたそれを、こちらに手渡してきた。

「これは……マフラー?」
「そう……私が編んだの」

まさかの手編み。思わず言葉を失っていると。

「もし本当に暑がりだったら、ごめんね」
「オレ、実はものすごい寒がりなんだ」

気づくと口が勝手に前言を撤回していた。


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