60: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 10:17:06.92 ID:ck9R+qDf0
やはり体力をつけ始めた効果が現れたのか、プロデューサーからのメールにもこうあった。
『目に見えて体力の向上が見受けられるが、何か特別な事をしているのか?』
紗代子「プロデューサーに指摘されて、毎晩ランニングをしています。よくなかったでしょうか? と……どうかな」
61: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 10:17:39.52 ID:ck9R+qDf0
『身体は銀行のようなものだ。運動はローンであり、貸せば貸すほど利息が付いて返ってくる』
紗代子「そうなんだ。じゃあ……もっとランニングの時間、伸ばした方がいいのかな!?」
しかし続くメールの部分には、こう書かれていた。
62: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 10:18:08.14 ID:ck9R+qDf0
瑞希「経済の本ですか……父の仕事の関係で、そうしたものも確かに家にはありますが……高山さんのことですから、それもアイドルに関係することなのですか?」
紗代子「うん……これなんだけど、昨日のプロデューサーからのメール。なんとなくはわかるんだけど、どういうことかちゃんと理解したくて!」
63: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 10:18:36.94 ID:ck9R+qDf0
千鶴「ここには大変重要で危機感に溢れた示唆が書かれていますわ! な、なるほど……運動に対する姿勢をここまで見事に経済に例えられるなんて……」
紗代子「つまり、どういうことなんです?」
千鶴「運動とはローン、つまり自身の体力を削ることで後々には削った以上の体力を自分に戻すことなわけですわ」
64: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 10:19:02.56 ID:ck9R+qDf0
千鶴「そうですわね。運動はすればするほど体力として自分に還元されるけど、自分の基の体力を把握して正しくやらないと、身体を壊す……当たり前かも知れませんけれど、こんなに理解できる言葉で……さ、紗代子!」
紗代子「え? あ、はい」
千鶴「この文、わたしくも書き写してもよろしくて? わたくしの金言にいたしますわ!」
65: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 10:19:46.68 ID:ck9R+qDf0
翼「というわけで〜私も今日は帰りま〜す」
意気揚々と帰ろうとする翼をトレーナーが捉まえる。
66: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 10:22:59.02 ID:ck9R+qDf0
瑞希「ひとつ、うかがいたいのですが、高山さんはどんなアイドルになりたいのですか?」
紗代子「え? どんなアイドル? うーん、やっぱり歌とダンスが素敵なアイドルに憧れてるかなあ」
67: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 10:23:31.40 ID:ck9R+qDf0
瑞希「実は、私は……セクシー系アイドルに憧れを持っています」
風花「えっ!?」
瑞希「女性としての魅力を、存在からだけでも感じてもらえる……そういう存在に憧れています」
68: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 10:24:07.77 ID:ck9R+qDf0
紗代子「うん。私も、そう言われると自分のプロポーションも……悪くはないかな、って」
風花「そうよ。私も胸が少し大きくて恥ずかしいんだけど、でもこれだって魅力的に見てもらえれば、嬉しくない訳じゃないから」
瑞希「正直、豊川さんの胸は垂涎です……ですが私にも将来性はあります。なにしろ母はナイスバディですから」
69: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 10:24:36.39 ID:ck9R+qDf0
その後も、レッスンに対する指導以外でも、尋ねればどんな質問にもプロデューサーは紗代子に返信をくれた。
最初は堅く、返信も紋切り型の文章だったが、次第に穏やかで親しみを感じる文章へとなっていった。
紗代子「リズム感ですけれど、どうすれば鍛えることができるんでしょうか……と」
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