高山紗代子「敗者復活のうた」
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55: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 10:07:37.37 ID:ck9R+qDf0

「だめよ」

 普段はノリの軽い母親が、珍しく強く紗代子に言う。

紗代子「どうして? 別に遊びに行くとかじゃなくて、ランニングだよ?」

「時計を見てみなさい。もう夜の九時過ぎよ。外だって真っ暗じゃない。女の子が1人で出歩いていい時間じゃないでしょ」

紗代子「でも……そうだ! ボディーガード!! ボディーガードがいるならいいよね!?」

 この時点で、紗代子の弟には悪寒が走る。慌てて自室に戻ろうとするが、残念ながらそれは少しばかり遅かった。
 普段は物わかりがよく優しい姉が、問答無用にその腕を強く引っ張ってきた。

紗代子「一緒についてきて!」

「……俺、これから勉強が……」

紗代子「後でみてあげるから! ね、お願い!?」

「そうね……まあ、一緒ならいいでしょ。戦車には気をつけるのよ」

紗代子「はーい!」


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