長富蓮実「その名は、ハスラー♪」
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75: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 14:24:24.81 ID:G9OiTGlK0
 初めて会った時を思い出す。
 そういえば彼女は、ちょっと変わった経緯でアイドルになったんだった。

蓮実「知ってます。確か、歌をテープに録音して送ってきたんですよね」

P「ああ。つまり最初は、歌声が評価されて面接となった。だが、その時は不採用だったな」

 当時のSは、まだ磨く前の原石だった。それを磨けば光ると、俺はプロダクションを必死に説得した。
 その甲斐あってか、高校を出た後に候補生としてなら契約をしてもいいというゴーサインが出た。
 それを電話口で話した翌日、彼女は単身九州から上京してきた。聞けば、高校も中退してきたという。無論プロダクションの言う『高校を出た後』というのは、高校を卒業したら、という意味だったのだが彼女は文字通り高校を飛び出してきてしまったのだ。
 唖然として「早まったことを……」と言う俺に彼女は、「善は急げといいますから」と悪びれもせず、すまして答えた。
 俺も驚いたが、プロダクション側も仰天し、動揺した。
 その頃はまだ寮などという設備はなく、住む当てもなく上京してきたSを、当時の社長は自宅に住まわせてくれ、ツテのある高校に転入をさせてくれた。
 すべてはまだ高校生である、いち少女をその気にさせたという後ろめたさからの好意であったが、Sは社長宅全体に響くような声で毎日ボイスレッスンをし、高校でもトップクラスの成績を出してみせた。
 無論、その陰でSがどれほど涙ぐましい努力してきたのかを、担当である俺は目にした。
 いわばそれは、Sのアピールだ。だが、そのアピールには彼女の必死さがこもっていた。


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