3: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 13:20:51.25 ID:G9OiTGlK0
P「あ、いや。買うつもりはないんだ。ただ、懐かしくてつい……あなたこそどうぞ」
言いながら可笑しくなった。
相手は若い女の子だ。おそらく高校生ぐらいだろうが、そんな娘が、俺が担当していたような時代のアイドルに興味があるはずがない。
4: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 13:21:38.09 ID:G9OiTGlK0
気がつけば、彼女は頬を赤く染めて俺を見ていた。
そう、いつの間にか俺は彼女を凝視していた。
蓮実「し、失礼します」
5: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 13:22:33.45 ID:G9OiTGlK0
俺は、きっと彼女は大きく頷くだろうと思っていた。
見るからに可愛い。そしてそれだげなく、清純な雰囲気。
アイドルが好きだと聞き、きっと喜んでOKをしてくれると思いこんでいた。
蓮実「……私は……」
6: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 13:23:08.24 ID:G9OiTGlK0
P「とりあえず……名刺だけは、受け取ってくれないか。そして、もしその気になることがあったなら……」
蓮実「……あったなら?」
P「俺と、夢を育てよう……」
7: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 13:23:53.34 ID:G9OiTGlK0
奈緒「ど、どうだった!?」
比奈「めぼしそうなLDは、あったっスか!?」
8: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 13:24:52.58 ID:G9OiTGlK0
P「アニメって言っても置いてあるのは、ムーミンとかそういうのだけだったな」
奈緒「……え?」
比奈「……ムーミン?」
9: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 13:25:49.96 ID:G9OiTGlK0
P「ん? おお、そうそう。こんな顔のムーミンだったな。あれはなんだ? 海賊版か何かか?」
奈緒「比奈さん、これってやっぱり!」
比奈「間違いないっス! 幻の1969年の東京ムービー版ムーミンLDっスよ!!」
10: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 13:27:09.11 ID:G9OiTGlK0
比奈「うわああああああーーー!!!」
奈緒「島根、おそるべし……」
比奈「島根でお仕事がある機会を待つしかないっスか……」
11: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 13:27:38.03 ID:G9OiTGlK0
奈緒「あれ? ハスラーさん?」
比奈「ケータイ鳴ってるっスよ?」
P「……」
12: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 13:28:10.33 ID:G9OiTGlK0
P「一度……事務所に来てみませんか?」
蓮実「え?」
P「ええ。なる、ならないはおいておいて、アイドルの実際の様子を見学に来ませんか?」
13: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 13:28:47.42 ID:G9OiTGlK0
P「ところで、その……上京する際にひとつお願いがあるのですが……」
蓮実「は、はい。なんでしょう?」
P「先日、あなたとお会いした店、覚えておられますか?」
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