2:名無しNIPPER
2019/12/26(木) 10:29:31.84 ID:HiJHpINdO
勇気だけじゃ出来ないことがある。彼女の恋人は僕の友達。でも、もし??
3:名無しNIPPER
2019/12/26(木) 10:30:56.75 ID:HiJHpINdO
>>2 修正
勇気だけじゃ出来ないことがある。彼女の恋人は僕の友達。でも、もしーー
4:名無しNIPPER
2019/12/26(木) 10:31:32.61 ID:HiJHpINdO
溜息をつく。急な仕事で都合がつかないとはいえ、撮影終わりの担当アイドルをよりにもよって僕に迎えに行かせるなんて、あいつも良い趣味をしている。まあそれが僕の仕事だから仕方ないのだけど。
ここはアイドル事務所、シンデレラプロダクションのプロモーションフィルムを撮影しているロケ地。『Spin-off!』と題されたそれは、5人の少女が閉じた世界に抗うというストーリーだ。おっと、少女と言うには少し語弊がある。なぜなら??
5:名無しNIPPER
2019/12/26(木) 10:32:25.74 ID:HiJHpINdO
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6:名無しNIPPER
2019/12/26(木) 10:33:45.63 ID:VTYFDl0eO
ーーーー
僕とあいつが出会ったのはシンデレラプロダクションの入社式。たまたま近くにいて何となく話しかけてみたらこれが意気投合。
お互いプロデューサー志望で、上司には珍しがられたものだった。何でもプロデューサーっていうのは、労働基準法も泣いて逃げ出すほどのブラック職で、それが響いているのか、新卒で2人も入ってくるのは異例中の異例だそうだ。毎年適性を見て他部署から引き抜いて人数を維持しているらしいが、転職してしまう者も少なくないらしい。
7:名無しNIPPER
2019/12/26(木) 10:34:21.86 ID:VTYFDl0eO
担当アイドルを持ったあいつはかなり忙しくなった。まだ特定の担当を持ってない俺は、あいつの簡単な仕事をサポートをすることが多くなった。そうなればもちろん彼女との親交も深くなる。
過激なことを言っているようで、超えてはいけないラインは決して超えず、汚い言葉もおちゃらけて言うもんだからむしろ爽快感すらある。やけに近い距離感も慣れてしまえば心地よい。
結論を言えば、僕は佐藤心に恋をしてしまった。
8:名無しNIPPER
2019/12/26(木) 10:35:01.49 ID:VTYFDl0eO
ーーーー
車を走らせること10数分、夕焼け空はすっかり暗くなってしまった。
「にしても、今日は晴れて良かったな。最近冬にしては珍しく雨続きだったから心配してたんだけど」
9:名無しNIPPER
2019/12/26(木) 10:36:07.13 ID:VTYFDl0eO
日頃は僕の方がモテる方らしい。他部署の女性に交際を申し込まれたこともある。断ったけど。合コンしてもあいつは何の収穫も無しに帰ることの方が多かった。
でも、ここぞという時にはあいつがさらっていってしまった。
もちろんあいつはいい奴だ。親友だから間違いない。だからといって、許せはしない。俺がなけなしの職業倫理で二の足を踏んでいるうちに躊躇いなく彼女を自分のものにしてしまったのだから。
10:名無しNIPPER
2019/12/26(木) 10:36:50.49 ID:VTYFDl0eO
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11:名無しNIPPER
2019/12/26(木) 10:37:44.09 ID:VTYFDl0eO
さらに車を走らせること数分、ようやく事務所に到着した。扉の前にはあいつが立っている。待っていたらしい。車を止めた途端に彼女が飛び出す。
「いやーん、会いたかった〜☆」
「ちょっと、外なんだからやめてくれよ。撮られたらどうするんだ? P、ありがとうな。お前が代わってくれたおかげで面倒事は全部片付いたよ」
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