【亜人だらけ】アマネ「亜人だらけの」コダマ「クリスマレディオ〜」【番外編】
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68:亜人好き ◆HQmKQahCZs[sage]
2020/01/09(木) 22:02:51.60 ID:fNj8B9ZE0
〜とある暗闇のなか〜

「君はまだ生きていたのか」

「いいや、死んでいないだけだ」

「あのハガキ、いったい」

「私自体が呪いの塊みたいなものだからな。わかるさ」

「一体どんな呪法を使った」

「呪法だなんて、ただのおまじないさ」

「何が目的だ」

「一族の繁栄だったか、いや人間の抹殺だ」

「俺がお前をそこまで追い込んだか」

「あぁ、そうさ。君のせいでボクはひねくれてしまった」

「本当に申し訳ないと思っている。あれは全面的に私が悪い」

「君は絶対に許さない。それだけは心の底に刻み込まれている。あの熱さとともに」

「この体にはないはずの傷が痛むのさ」

「………どうする。俺は抵抗しない。死にもしないがな」

「………君が、君がもしまともなら」

「ボクは今でも王子様の存在を信じてられたんだ」

「王子、様?」

「今だから言うよ、ボクは君が『好きだった』。あの時までは」

「だからこそあの時のボクの思いを裏切った君を許さない。いいや、それだけじゃない」

「ボクは人間たちがしてきたことを全部覚えている。ランハオの姿やレディ家の兄がやったこともね」

「人間の禍々しいところを見てきたんだ。だから今更ボクは人間を受け入れようなんて思わない」

「どうする。ボクはきっと人間をこれからも追い込んでいく。君が勇者を気取るというなら」

「勇者だなんて、そんな名前は名乗れない。何一つ守れなかった私に勇者だなんて、それは揶揄というものだ」

「私の目的はただ一つ、死ぬことだけだ」

「く、ククク、いい気味だ。君が永遠に苦しむのを見るのはね」

「それで贖罪となるのなら。この哀れな体をいくらでも見るといい」

「死なない体で見ているといい。人間たちが滅んでいく姿を」

「…なにかあるというのか」

「もうすぐ、もうすぐ始まる。クククっ」

「もう一度、あの日々が戻ってくるのさ」


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