セイバー「聖杯大喜利戦争 座布団十枚目!」イリヤ「おめでとーございまーす!」
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6: ◆8cB8K086lg[sage]
2019/12/25(水) 14:48:54.32 ID:VqN+vqBbo

「ずっと人を救いたいって思ってた。誰かが幸せなら俺も嬉しい。それで十分だって。けど、周りからセイバーが蔑まれるのは……俺を思って、自分からそう振る舞う姿を見るのは……すごく辛かった」

「本当に馬鹿だ。アイツが俺を見てイラつくのも無理ない。他人を救うことばかり気にしているつもりで、その実、何も見えていなかったんだ。
 誰かを救うために俺が苦しむなら……俺のことを思ってくれる人は、どう感じるのかなんて、考えたことも無かったんだから……」

 私が、あるいはどこかの世界の私が、こんなにも痛ましい彼に惹かれた理由。それは、彼と私は同じだから。だからこそ、彼が痛みは、そのまま鏡写しで私を傷つける。
王は人の心がわからない。そう言われて、私の心には確かな傷がついた。けれども、もしや私は、私こそが、無自覚なままに私を慕う誰かを傷つけていたのではないか。
 仮にかつてそう告げる者がいてくれたとしても、その時の私は取り合わなかったに違いない。それを受け入れるということは、頭の王冠も、玉座も、剣も、全てを放り出すことと同義だと、当時の私は考えただろうから。

「本当にゴメン……でも、おかげで、こう言える」

 けれども、今は、唯一手元に残った剣も、それを拒んでくれない。

「ありがとうセイバー。俺は大丈夫だから……もう、無理するな」



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