渋谷凛「いつもどおりの普通だって」
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4: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2019/12/24(火) 03:26:20.41 ID:FLJvNdsK0

「えー」

「えー、って何さ」

「結構、どきっとするかな、って思ったんだけど」

「んー。ふつう」

「ふつう、は酷くないかな」

「だって、ほら、なんかさっきのは作った可愛さって感じ」

「作った可愛さ?」

「うん。こういうことしたら、可愛いだろうな、みたいな可愛さ」

「でも、可愛いことは可愛いんでしょ?」

「まぁね」

「じゃあ、何がだめなの?」

「作ってない可愛さが欲しい、みたいな」

「よくわかんないなぁ」

「遺伝子組み換えでない、みたいな」

「ますますよくわかんないんだけど」

相変わらず、この男はわけのわからないことばかり言う。

でも、狙った可愛さであったことは事実で、それを見抜いてくるのは流石だとも思った。

隣を歩くプロデューサーの鼻先はほんのり朱色をしていて、それなりの時間、外にいたのであろうことを物語っている。

それを毛ほども言い出さない辺り、本当に良い恰好しいな人だ。

私は自身の首に巻いているマフラーをするすると抜いて、プロデューサーの顔面目掛けて投擲する。

べちぃ、と着弾したそれの端を持って手早く巻き付けてやると彼はわざとらしく「ぐぇ」と声を上げた。

「そんなにきつく巻いてないでしょ」

「遂に殺されるのかと思った」

「私がせっかく心配してあげたっていうのに」

「なに、なんの心配?」

「耳も鼻も赤くなってるよ」

「これこれ! こういうの!」

「急におっきい声出さないでよ」

「遺伝子組み換えじゃないやつ!」

「……はいはい」

くだらない話を交わしながら、事務所を進む。

はじめは彼のデスクに向かうのかと思ったけれど、どうもそうではないらしく、彼に「こっち」と導かれるのに従った。



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