8:名無しNIPPER[saga]
2019/12/22(日) 00:15:58.15 ID:z4qp4F+AO
〜100年後〜
勇者「あの後、宿屋にひとりでいると
なにもない壁に光る扉が現れた」
勇者「目の前にいきなり現れた扉に、俺は、どこか懐かしさを感じ、警戒心を忘れて中に入った」
勇者「異質さが一目でわかる、鏡で囲まれた部屋だった。中央には、独りの男が立っていた」
賢者『私は賢者。ようこそ、幻想の塔へ』
勇者「男は、賢者と名乗った。そして、先ほどのやりとりをこの部屋から見ていたことを俺に告げた」
賢者『良く言えば万能。悪く言えば器用貧乏。そのどちらも良いと私は思いますが、貴方は気にくわないようだ』
勇者「澄んだ瞳に、俺の中のわだかまりを見透かされているようだった」
賢者『であるならば、方法は2つに1つ。甘受するか、抗うかです。どうしますか?』
勇者「甘受するとは、現状を受け入れることなのだろうと思った。反対の意味で抗うとはーー」
賢者『なりますか? どの分野でも突出した存在に』
勇者「なれるのならなりたい。しかし、本当になれるのか?」
賢者『なれますとも。貴方はがっかりするかもしれませんが、勇者でなくともなれます。むしろ、勇者であることを忘れねばならない』
72Res/38.32 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20