86:名無しNIPPER[saga]
2020/01/01(水) 17:54:02.93 ID:12PeC/pS0
「どうしてもっと早く言ってくれなかったんだよ。おかげでとんだ無駄骨だったじゃねえか。」
柴田家の逮捕劇が行われた翌日、特命係の部屋を訪ねた角田課長から右京はそんな愚痴を吐かれた。
事件後、右京たち特命係は内村部長に呼び出されて説教された。
何故もっと早く報告しなかったのかと問われたが実際にはすぐに伊丹たちに報告していたが話半分で聞き流れたこともあり、
そもそもじゅりが殺害されたという前提で勝手に動いていたのは捜査本部の意向に過ぎない。
そんな事情もあり内村部長は不満ながらも特に処分を言い渡されることもなく説教のみで終わらせた。
「それで調べたがあの柴田って夫婦はとんでもないヤツらだったぞ。」
「それはつまり前科があったということでしょうか。」
「ああ、そもそもあの二人は柴田なんて名前じゃない。男の方は榎木祥太。女は田辺由布子が本名だよ。」
前科があっただけでなく名前すら最初から偽物だったとは…
だが意外だったわけではない。多分そうではないかという予想はついていた。
何故なら治は日雇い労働者だった。その理由が前科者であるなら納得だ。
日雇いなら犯罪の経歴など調べられるはずもない。だから真っ当な職に付かなかったのだろう。
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