44:名無しNIPPER[saga]
2019/12/25(水) 01:46:01.70 ID:4eonmOIU0
「ところで伊丹さんたちはもうじゅりちゃんの捜索を諦めてるって本当ですか?」
「ハッキリとは言っていませんでしたが生存の可能性を絶望視している発言はしていました。
確かに二ヶ月前から行方不明になっていたというのなら生存の可能性は低いと思われても仕方がないでしょう。」
「そうですか。つまりじゅりちゃんは親だけでなく警察からも見離されたわけですね。」
認めたくはないが客観的に見ればそうなるだろう。
じゅりは実の親から虐待を受けていた。それだけでなくじゅりを捜索している警察も既にその生存を絶望視している。
これでは大人たちに見捨てられたも同然。
そう思うと冠城はじゅりに同情せずにはいられなかった。
「…まったく呑気だな。こっちはこんなに思い詰めてるのに…」
そんな冠城の悩みを余所に張り込み先の柴田家からは今日も明るい笑い声が聞こえた。
家の中を覗くとやはりゆり…いや…りんが笑顔で夕食を食べている。他の家族も…
もしもりんが北条じゅりであったらこの家族は誘拐犯である。
この後、逮捕されたらこんな食卓を囲うなど二度と出来ないのに…
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