32:名無しNIPPER[saga]
2019/12/18(水) 20:06:08.17 ID:AIKJ/mA/0
「つまりじゅりちゃんの生存は捜査本部では絶望視だというわけですか。」
「まあ…一応捜索は続けてますよ…けど二ヶ月も前じゃ…生きてる可能性は低いでしょ…」
「そうっすよ。これが本当に数日前に起きたならまだ生存の可能性はあったけど二ヶ月じゃねぇ…」
伊丹と芹沢もじゅりの生存について問われると流石に返答に困惑しているが無理もない。
こんな経緯を知ればじゅりの生存は望み薄だ。
それに右京も昨日の偶然がなければじゅりの発見は適わなかっただろう。
「なるほど、話はわかりました。それではお仕事頑張ってください。」
「え?それだけですか?何かそっちで掴んだ情報くらいないんですか。」
「一応あります。昨夜じゅりちゃんに似た少女を見かけました。捜査の参考になればとお伝えしておきます。」
「それはご苦労様です。あとで所轄の連中に見回りに行かせるよう報告しておきますからどうかお引き取りください。」
右京の報告など半信半疑な対応でさっさと車から出して伊丹たちは張り込みを続けた。
これで現在の捜査状況は把握することは出来た。だが一方で右京の心中は複雑だ。
北条じゅりが実際には二ヶ月前から行方不明になっている。
警察はじゅりの生存を端から絶望視しており、両親を餌に組織犯罪の検挙に乗り出している状況だ。
確かに右京が掴んだ情報もまだ確実な信憑性があるわけではない。
だがあのゆりなる少女が本当に北条じゅりだった場合、警察は誤った捜査を行っていたということになる。
下手をすれば誤認逮捕による冤罪が生じてしまう。そうなればかなり厄介な事態になる。
いずれにせよ捜査本部がじゅりの両親を逮捕に踏み切るまでにゆりが本当に北条じゅりなのか確かめる必要があった。
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