21:名無しNIPPER[saga]
2019/12/16(月) 23:32:39.63 ID:w7wIwWN50
「確かあの子の名前は『ゆり』ちゃんでしたね。名前も似ていますね。」
じゅりとゆり、顔だけでなく名前まで似ている少女は行方不明の少女が住む近隣住宅にいた。
誰の目から見ても関連性は十分あり得た。
「…どうしますか?この情報を一刻も早く捜査本部に伝えるべきでしょう。」
「確かにあの子がじゅりちゃんかどうかはわかりませんが捜査本部に伝えればすぐに調べはつくでしょう。ですがあの子が本当にじゅりちゃんならひとつ気になる点があります。」
「気になる点とは何ですか?」
「それは笑顔です。」
笑顔と聞いて冠城は先ほどの柴田家での団欒を思い出した。
家族みんな笑顔で食卓を囲いその中にはゆりもいた。
そのゆりだがみんなと同じく満面の笑みを浮かべていた。
「おかしいと思いませんか。5歳の女の子が見ず知らずの相手に誘拐されたんですよ。普通なら恐怖に怯えて食事など喉が通らないのではありませんか。」
右京の指摘にそういえばと冠城も思った。5歳となれば自我が芽生える年頃だ。
そんな年頃の少女が二日間も親元を離れれば不安になるのは当然だ。
それなのにあの子は笑顔でいた。もしもあれがじゅりであったならあんな笑顔を浮かべるとは思えない。
それではゆりはじゅりではないのだろうか?だが人相はどう見てもそっくりだ。
どうにも考えがまとまらない。これは女性の視点による意見が欲しい。
そこで冠城は賄いの盛り付けをする幸子にこんな質問をした。
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