女「私、あなたのことが好きになってしまいました」
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148: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/01/23(木) 22:12:30.49 ID:xdKyTgMJ0
女「戻ります」
男「え、今から?」
女「はい」
149: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/01/23(木) 22:13:27.00 ID:xdKyTgMJ0
女「それでは」
彼女が去ろうとする。なんのためらいもなく、彼女は校庭に向かおうとしている。
男「ま、待って女さん!」
150: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/01/23(木) 22:15:04.13 ID:xdKyTgMJ0
女「どういうことでしょう」
男「ほ、ほら! 僕今脱いでても寒くないし! 持ってるだけじゃ勿体ないから」
女「ですが」
151: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/01/23(木) 22:15:57.19 ID:xdKyTgMJ0
女「とにかく、取りに行ってきます」
男「ま、待ってよっ」
逃げるように校庭に向かおうとした。
152: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/01/23(木) 22:16:56.23 ID:xdKyTgMJ0
男「ご、ごめん、つい……」
彼女は、嫌悪しているのだろう。
無理もないと思った。
153: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/01/23(木) 22:17:25.13 ID:xdKyTgMJ0
女「……困ります」
消え入るような声で言う。
女「触れられるのは、慣れてません」
154: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/01/23(木) 22:18:23.25 ID:xdKyTgMJ0
無表情でコーティングされていた彼女の顔が。
はっきりと朱色を帯びて。
眉毛を情けなく下ろしながら、唇を歪ませていた。
155: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/01/23(木) 22:18:55.23 ID:xdKyTgMJ0
女「男さん、どうされましたか」
男「いや、えっと……あれ……」
自分でもわからないくらいに。
156: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/01/23(木) 22:19:55.28 ID:xdKyTgMJ0
男「……」
女「……」
僕らはいつもよりも近くで、お互いに目を合わせた。
157: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/01/23(木) 22:20:38.47 ID:xdKyTgMJ0
疑問を抱いていた『好き』の根拠が今目の前にある。
そういう表情で作られた像のように同じ顔をしていた彼女が。
僕に対して、感情を表したこと。
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