女「私、あなたのことが好きになってしまいました」
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101: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/01/05(日) 22:50:31.34 ID:ybPKtKkA0
女「私、上映前のこの雰囲気が好きです」
彼女はまだあまり人が入っていない場内を見渡して呟く。
女「世界とちょっとだけ隔離されたような、そんな空間のようで」
102: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/01/05(日) 22:50:59.81 ID:ybPKtKkA0
ゾロゾロと人が集まってきた。すると彼女は白く細い手首に巻かれた腕時計を見て、
女「もうすぐ予告が始まりますね」
と囁いた。
103: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/01/05(日) 22:51:47.17 ID:ybPKtKkA0
数本の予告編と注意喚起の映像が終わると、照明は完全に消灯され、いよいよ本編が始まった。
内容は至ってシンプルな恋愛映画で、高校生のありふれたラブストーリーだ。
自分に自信が持てない男子、想いをどうしても伝えられない女子。
104: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/01/05(日) 22:52:15.63 ID:ybPKtKkA0
館内がパッと明るくなって、完全に映画の上映が終了したことを示唆した。
上映中、ほとんど動くことのなかった彼女が動き出した。
105: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/01/05(日) 22:52:48.31 ID:ybPKtKkA0
女「あまり食べていませんが、捨てます」
男「ああ、ちょっと待って。そのポップコーンもらえるかな?」
女「はい」
106: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/01/05(日) 22:53:22.58 ID:ybPKtKkA0
彼女の元に戻って、そのバケットを彼女に手渡した。
女「これは」
首を横に傾け、バケットを持ち上げて覗き込む
107: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/01/05(日) 22:55:36.30 ID:ybPKtKkA0
女「クリスマスプレゼント」
彼女は更に首を傾げて、
女「男さんは、サンタさんなんですか」
108: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/01/05(日) 22:57:01.16 ID:ybPKtKkA0
ここまで。
あけましておめでとうございます。
今月中には完結します。それでは。
109: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/01/07(火) 22:03:21.25 ID:kfdrueWW0
映画を見て、ちょっと遅めの昼食を食べることになった。
男「良い映画だったね」
女「はい」
110: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/01/07(火) 22:27:10.62 ID:kfdrueWW0
女「彼女の気分と、その時のシーンの色合いで表現されているのも素敵でした」
男「えっ、それには気づかなかったな」
女「はい。音が途中で止まって、また鳴りだすのも恐らく演出の一つです」
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