ハリー・ポッター「僕の言うことを聞け」ドラ子・マルフォイ「……はい」
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26:名無しNIPPER[sage saga]
2019/12/07(土) 22:05:36.60 ID:kNKMPaOnO
「ポッター、よそ見をするな」
「はい、先生」

かぼちゃジュースの一件以来、ハリーは見違えるように真面目になり、魔法薬学を始めとした授業に真剣に取り組むようになった。
スネイプ教授は時折注意はするものの、減点や罰則をする機会は格段に減っている。
とはいえ、グリフィンドールとの合同の授業の際は、ロナルド・ウィーズリーやハーマイオニー・グレンジャーが度々教授を苛立たせる。
その度にハリーは教授に質問して気を逸らすことで、彼らが怒られることを防いでいた。

「スネイプ先生、この薬品の調合のしかたがよくわからないのですが教えて頂けませんか?」
「わからないだと? そんなわけがなかろう。ポッター、よく考えるのだ。自分の頭を使え」

スネイプ教授は一見すると嫌みたらしくハリーに意地悪をしているようだが、たしかによく考えればわかる質問であることが多く、それでもわからない場合はドラ子が助け船を出した。

「先生、私もわかりません」
「ふん。よいか、ここはこうするのだ」
「なるほど、とてもわかりやすいです」
「ふむふむ」

懇切丁寧にドラ子に説明した内容を隣で聞き耳を立て、教科書には書かれていない教授独自の調合方法などを、ハリーは友人であるロンやハーマイオニーへ伝え、情報を共有していた。

「スネイプ教授は難しい方だけど、魔法薬学の権威だけあって素晴らしい知識をお持ちだわ」
「僕らには教えてくれないけどね」

ハリーから伝えられた教授の秘伝の調合方法にハーマイオニーはいたく感心して、ロンは面白くなさそうに鼻を鳴らした。ふと疑問を抱く。

「スネイプ先生」
「今度はなんだ、ポッター」
「それほど広範に及ぶ知識があるのに教授は何故、教科書をお書きになられないのですか?」
「吾輩には教科書は書けん」

短い返答は質問に対する答えになっておらず、何かしらの理由がある気がして、ドラ子に目配せしたハリーは授業の後、教室内に残った。


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