3:名無しNIPPER[saga]
2019/12/06(金) 22:44:45.03 ID:o9kFpOMF0
「なろう王に、このリプで何をするつもりであったか。言え!」
なろう王ディオニスに媚びを売る、売れないなろう作家の群衆は静かに、けれども威厳をもって一斉に問いつめた。
「アニメ業界を、なろう暴君の手から救うのだ」とメロスは悪びれずに答えた。
「おまえがか?」なろう王ディオニスは耐えられなくなって憫笑しながら返信した。
「仕方の無いやつだ。おまえには、わしの物語の良さがわからぬ、あと、お前のブログの良さもわからぬ」
「言うな!」とメロスは、いきり立って反駁した。
「人の書いた内容を馬鹿にするのは、最も恥ずべき悪徳だ。王は、作家のプライドさえ失って居られる」
そのグルチャにいた誰もが、おまいうと思った。
「……馬鹿にされるのが、正当の心構えなのだと、わしに教えてくれたのは、おまえたちだ。なろうだから、という読者の言葉は、あてにならない。実質イキり主人公が超ハーレム展開で無双して人の倫理観など微塵もない作品が売れているのだから。人間は、もともと私慾のかたまりさ。信じてはならぬ」
なろう王は落ち着いてグルチャにコメントをし、死んだ目をしながら溜息をついた。
「わしだって、平和なアニメ化を望んでいるのだが」
「なんのためのアニメ化だ。あんな恥としか思えぬ内容を映像で垂れ流し、少しでも本の売上をあげるためか」
こんどはメロスが嘲笑した。
「幼稚で作者の欲まみれの物語を世に垂れ流して、何が平和だ」
「だまれ、下賤の者」
王は、本は売れているものの人間的には優れておらず、ずっと物語を書いてきたプライドもあって、ちょっとムカついた。
「口では、どんな清らかな事でも言える。わしには、人の腹綿の奥底が見え透いてならぬ。おまえはワシの一言で、ファンのみんなからIP解析されて住所も本名も顔も特定されて一生ネタにされるのだ、泣いて詫びたって聞かぬぞ」
「ああ、王は悧巧だ。自惚れているがよい。私は、ちゃんと死ぬる覚悟で居るのに。命乞いなど決してしない。ただ――助けてください」
「命乞いじゃねえか」
グルチャの空気が少し凍った後、メロスはあくどい考えを思いついた。
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