537:名無しNIPPER[saga]
2020/04/07(火) 23:04:55.25 ID:2edha75g0
コンマ70 説得成功
元信「...ちっ。分かった」
飯田の首筋から冷たい感触が消える。
元信「お前を許す訳じゃない。だが俺から何も奪わないのなら、俺も何もしない」
飯田「ああ...勿論だ」
ツー「さあ頭領、戻りましょう。陛下が待っています。勿論皆も」
元信「そうだな...。そうだ、一応お前に言っておこう。救いどころか、より自らを恨む事になるかもしれないが知らないよりはマシだろう」
彼はシモーヌの手当てをしている飯田に言った。
元信「あの日の夜、両親が殺すと言っていたのはお前じゃない」
飯田「な...に?」
頭が真っ白になる。
元信「俺も後で監視カメラの記録を見たんだが、まあ、あの言い方じゃ無理もないかもしれないな」
飯田「一体...どういう事だ?」
元信「あれは犬の事だ。あの時、ちょうど俺は両親に言われてその犬を連れてこようとしてたんだ」
『そんな...。でも彼は、あの子はどうするんです?』
『...。始末するしかない。俺がこの手でやる』
『そうですか...。それが息子の為だと言うのなら...』
理解が追いつかない。それなら自分は誤解で親を...。
元信「...じゃあな。できればお前とは2度と会いたくない」
そう言い残し彼はツーと共に姿を消した。
飯田「俺は...俺は...」
家族で過ごした楽しい記憶がフラッシュバックする。そんな日々を壊したのは自分の勝手な勘違い?
アリス「晃司!」
真っ暗になっていた視界が、彼女の一声で光を取り戻す。
アリス「確かにショックだと思うわ。でも今はシモーヌを早く運ばないと」
飯田「あ、ああ」
そうして2人は負傷したシモーヌを運んで海底都市から退去した。
今日はここまで。
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