タイトルを書くと誰かがストーリーを書いてくれるスレ part7
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名無しNIPPER
[sage saga]
2020/09/24(木) 01:38:20.30 ID:AT3RRyPd0
>>274
「白紙の辞書」
やあ。僕は詩人...いや、見習い...志望......もどき......まあ、詩人ということにしておこう。
とにかく詩を書いて食っていきたいんだけど、いかんせん全然売れない。今回も編集さんに言われちゃったよ。
「君ねぇ、感性は悪くないが......いかんせんボキャブラリが足りんよ!ボキャブラリが!」ってね。
なんとかして語彙を増やしたいんだけど、これがなかなか上手くいかない。
色んな本を読んだり、辞書を端から端まで読んでみたりしたけどやっぱりダメだ。
そうやって古書店でいつもどおり古本漁りをしていたある日、僕はそいつと出会ったんだ。
「なんだこれ? 『白紙の辞書』......?」
「『これは普通の辞書ではありません。あなたが言葉を書き、意味を書くことで完成していく世界にひとつだけの辞書です』......へえ、面白そうじゃん」
そいつは表紙まで真っ白で、表紙と背表紙には金字で題名が入っていた。これに知った言葉を書き込んでいけば「ボキャブラリ」って奴も身につくかな。
レジに行くと、店主のおじいさんは何も言わずに会計してくれた。でもいざ本を僕に渡すというときに、ただひとことだけ言った。絞り出すように。
「お客さん。それに正しくないことを書いてはなりませんよ」
家の近くの筈なのに、僕はその店の存在を知らなかった。
四畳半の自宅に帰ると、いつもと変わらない物書き机が僕を迎えてくれる。それ以外何もないって?そうともいうかもね。
買ったばかりの辞書はサラサラして、そのページはまるで絹のように見えた。これを見て何も書かなきゃ詩人が廃るさ。
取り出したるは愛用の万年筆。どうせならやっぱり辞書風にと、こう筆を走らせた。
いのち【命】 一瞬の煌めき。
「ふふっ、なーんて――――――」
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