タイトルを書くと誰かがストーリーを書いてくれるスレ part7
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名無しNIPPER
[sage saga]
2020/01/26(日) 02:29:43.91 ID:EQtcKe8l0
父「いや、話にはまだ続きがあってな。ごく少数の村人はまだ遺っていたんだ」
父「魔王の封印を済ませて帰ってきた勇者隊は、変わり果てた故郷の惨状を見て愕然とした」
父「そして、遺った村人から事情を訊き、王宮に対して立ち上がることにした」
子「ま、当然だろうな」
父「ところが、王宮は『用済みの勇者を討ち取る絶好の機会』とばかりに勇者たちに総攻撃を仕掛けた」
子「いやいやさっきから色々おかしいんだけどさ、そんな話王都の民が納得するわけないだろ?」
父「じゃあ訊くが、お前の知ってる勇者の物語はどうなってるんだ?」
子「そりゃ、勇者は悪の手先となって王様に刃を……・って、あれ?」
父「そういうことだ。魔王戦線を経て絶対的な権力を手にした王宮は、情報をすべて自分たちに都合の良いように発信した」
父「で、勇者隊プラス遺された村人数十人 対 王国の精鋭部隊プラス王国の民約百万の戦いが始まった」
子「おっ、異世界転生勇者チート無双の展開だな」
父「何の話だ?勇者はこの村の出身だと言ったろ」
父「勇者隊は圧倒的少数をカバーするため、対象を当時の国王一人に絞った作戦を立てた結果、当時の国王を討ち取ることに成功した」
子「はい出たチート無双」
父「ところが敵将を討てばいいなんて作戦は誰でも考えつくことだ」
父「勇者と当時の国王は相討ち死した」
父「そして、王国の精鋭部隊はこの村を村人もろとも徹底的に破壊した」
子「…………」
子「いやいやいや、おかしいだろ! 狂ってるだろこの王国は!」
父「でもな、最後に遺った勇者隊の仲間は、王宮と交渉を続けて王国の改革を約束させた」
父「勇者の命と引き換えに約束させた改革はいくつもあるが、その一つが城壁の撤廃だ」
父「これでようやく、もう誰も、王宮の保身の犠牲にはならなくて済む世の中になったんだ」
子「それは確かに大きい一歩なのかも知れないけどさ……」
子「あんたもそこまで知ってるなら、なんで真実をもっと発信しないんだよ!」
子「勇者に着せられた汚名をそそいでやれよ!」
父「勇者隊は、結果的にこの村を殲滅させたんだぞ」
子「じゃあ何で、こんな廃墟に立ち寄って、こんな墓標に頭を下げてんだよ!」
父「真実を知っている人間が勇者の功績に思いを巡らせるくらい許してくれ」
子「だから、真実を真実として……」
子「そういえばあんた、何でそんなに詳しいんだよ」
父「そりゃあな……」
父「俺は3人いる勇者隊の生き遺りの一人だからな」
父「この村を忘れ去られた村にした俺たちには、そそぐべき汚名も回復すべき名誉もありはしない」
父「でもな、誰も王宮の都合に振り回されることなく、のんびり農業ができるような世の中を作ることが、俺たち勇者隊に遺された使命なんだ」
【完】
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