808: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2023/03/01(水) 00:40:05.37 ID:fFXJOFQl0
男「へぇ、あれ?この人の声は聞こえてるのか?」
『はい』
男「え」
教授「聞こえてるのかい?私の声」
男「そのようですけど」
教授「おいおい一体いつからだい。観葉植物に話しかけるOL気分で毎日接していたというのに」
『最初からですね』
男「最初からだそうですよ」
教授「なんと。しかし何故反応しなかったんだ」
『最初は私も返答してましたけど、こっちの声は聞こえていないようだったので諦めていました。
声が届くのが一方的なだけなら筆談でもいいと思って』
男「自分の声は聞こえていないようだから諦めたと」
教授「なんてことだ。この程度の事にも今日に至るまで気づかないままとは。こうなると自分を解剖台に送るほかないな」
俺にも飛び火するからやめてほしい。
男「そんなに話しかけていたんですか?貴方だけが会話を試みてきたと言っていますが」
教授「ははは、だろうね。最も私もこちらの声は聞こえていないと思って諦めてしまったがね。あの時のコーヒーはおいしかったかい?」
『苦すぎでした』
男「あー、えっと、口に合わなかったと」
教授「それは残念」
不思議な光景だろうな。
二人に挟まれながらそう思った。
言葉はアレだが、言ってしまえば実験体と研究者が並んで腰かけて話しているのだから。
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