806: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2023/03/01(水) 00:37:10.80 ID:fFXJOFQl0
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色々検証した結果、お互い頭が接触した状態が最もクリーンに声が聞こえると判明した。
男「でもこれ会話し難いな」
『男さんは身長が高すぎます。もっと私に合わせてください』
男「縮めと?」
『はい』
男「無茶苦茶言うな」
だが取調室で椅子を並べ左右で頭を突き合わせての会話は確かにキツイ。
俺は寝違えそうなくらい首を傾けなきゃだし、彼女も首が伸びそうなくらい背筋を伸ばしている。
男「まぁ実験としては十分だし、基本はやっぱタブレットで」
そうして寄り添いあうと表現するにはお互いに負荷の大きい姿勢を止めようとした。
すると見た目からは考えられないくらい強い力で引っ張られた。
『文字入力は面倒です。このままでお願いします』
男「えぇ…」
これまで会話らしい会話がなかったからなのか、単純に会話が好きなのか、あるいは両方か。
ともかくお喋りがしたいらしい。
いやでもこの態勢はやっぱきついなぁ。
『あ』
男「ん?あ」
取調室の窓の外に教授がいた。
たまたま通りかかったのか、いつもの黒衣とコーヒー入りのカップを片手にこちらをじっと見ていた。
そして外にある会話用のマイクのスイッチを入れた。
教授「何してるんだ君ら」
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