802: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2023/03/01(水) 00:33:45.06 ID:fFXJOFQl0
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次の日。俺は行動を開始した。
男「本当に音は出ていないんだな」
レポートを眺める。
彼女の声についてのものだ。
声。つまり音は波なわけだが艦娘の発する声にはその波がないらしい。
あるいは観測できていないのか。
男「聞こえてはいるんだけどなぁ。でも波がないなら鼓膜じゃ聞き取れない。どこで聞いてるんだ俺」
あるいは解剖されるべきは俺の方なのかもしれない。
…嫌な想像しちゃったな。
男「どう思う?」
目線をレポートから向かい側に座る彼女に移す。
「…」
彼女は相変わらず黙ったまま不思議そうに俺を見ている。
ひょっとしたら喋ってるのかもしれないが。
場所も変わらず例の取調室の中。
何をするにも取っ掛かりがないので俺はとりあえず彼女と一緒に過ごしてみることにした。
男「でも俺の言ってることはわかるんだよな?」
こくりと小さく頷く。
これも不思議だ。
艦娘側も普通の人間の言葉をうまく聞き取れないらしい。
これはどうやら訓練で聞き取れるようにはなるらしいが。
目の前の彼女もそうだとレポートにはある。筆談のみが可能だと。
なのに俺の声は聞こえているようだ。
やっぱ解剖すべきは俺なんじゃ…
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