483: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2020/11/23(月) 05:21:30.24 ID:gL4z5twS0
男『歌、か』
そういえば歌は艦娘でも人間でも聞こえるんだったな。しーちゃんが音楽関係のイベントなんかから活動を始めたのもそれが所以だったはずだ。
緋色『サビだけだったり前半だけだったり、ともかく相手に歌を贈るって言ってたわ。中には海外の歌を聞いた娘もいるらしいわよ』
男『艦娘の文化ってわけか。初めて知ったよ』
緋色『それでね!私も歌を練習してみようかなって思ったの』
男『緋色は何か知ってる歌は…あ』
緋色『民謡とかいくつか思い浮かぶものはあるのだけれど、他には、なんでか…あまり…』
しまったと思った時にはもう遅かった。記憶を探るような仕草をしたかと思うと緋色の身体がグラりと揺れる。
緋色『ぁ』
男『うお!』ギュッ
倒れかけた緋色をどうにか支えてベットに寝かす。
男「はぁ…迂闊だった」
しかし歌かぁ。後で秋雲にでも聞いてみるか。
きっといつか緋色も海の上を歌いながら駆けていくのだろう。
でもそれだけじゃない。緋色はまだそれを知らない。俺だってそれがはたしてどんな世界なのか知りはしないのだから。
あの青い世界は戦場なんだ。
横たわる緋色を艦娘だと理解していてもそんな世界を知らずにいて欲しいと願わずにはいられなかった。
緋色の髪をそっと撫でてみる。
男「子守唄の一つでも歌えればなぁ」
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