303: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2020/06/15(月) 02:26:15.29 ID:clR9XJvv0
提督「誰か真似するといけないしなぁ。ここは提督としてビシッと言わなきゃか」
叢雲『そうよ。アンタが私達の』
"なれなかったんだよ"
叢雲『…私の』
"提督になれない"
提督「叢雲?」
司令官の両肩を掴みぐいと顔を引き寄せる。
椅子に座っているとはいえそれでも司令官の背は私より少しばかり大きい。
提督「えっと、どうしたの?」
お互いに目を合わせる。
司令官は特に動じることも無く不思議そうに私を見つめている。
眼鏡のレンズに映った私が見える。
司令官の見ている私は、はたしてそこに映っている私なのだろうか。
それとも司令官の瞳には、何か別のモノが写っているのだろうか。
レンズに映る私の瞳が水平線に沈む夕陽のように不安定に揺れている。それが堪らなく情けなくて
叢雲『あっ』ギュッ
不意に抱き寄せられた。司令官の左肩に顎を載せる形で体を重ねる。
私よりも太くて長いその弱々しい手が私の腰周りを包んでいる。
司令官の心臓の鼓動が波のように私の中に反響して、
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