【アイマス】真「目を閉じて見るハッピーエンド」
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1:名無しNIPPER[saga]
2019/10/23(水) 22:09:36.60 ID:TL91zfWYO
《A side:大嫌いだから愛しくて》
SSWiki : ss.vip2ch.com
2:名無しNIPPER[saga]
2019/10/23(水) 22:12:08.84 ID:TL91zfWYO
菊地真、17歳
私と一緒にアイドルデュオとして活動している女の子。
3:名無しNIPPER[saga]
2019/10/23(水) 22:15:14.84 ID:TL91zfWYO
真ちゃんは運動神経がバツグンでいつも元気な、快活さを絵に描いたような性格をしている。
正義感が強くてちょっと空回りすることもあるけれど、そんなところも含めて周りの人達からは愛されている。
4:名無しNIPPER[saga]
2019/10/23(水) 22:18:13.96 ID:TL91zfWYO
「雪歩ちゃん大好きです。これからも頑張ってください」
「ありがとうございます。応援よろしくお願いしますね」
5:名無しNIPPER[saga]
2019/10/23(水) 22:21:39.89 ID:TL91zfWYO
それから1時間程してシングル発売記念のサイン会を終えると、プロデューサーは「今日はこのまま2人を家まで送るよ」と言ってくれた。私と真ちゃんは素直にその提案を受けて車に乗り込む。
距離が近い私の家の方に先に到着する。別れの挨拶をして私が車を降りると、真ちゃんがプロデューサーに「あ、ボクも降ります。雪歩と約束があるんで」と言い出した。
6:名無しNIPPER[saga]
2019/10/23(水) 22:24:21.03 ID:TL91zfWYO
「突然だな。一人で帰れるのか?」
「心配しすぎですよ。もう子どもじゃないんですから」
7:名無しNIPPER[saga]
2019/10/23(水) 22:27:21.38 ID:TL91zfWYO
……私はというと、二人が話している間何も言わずに立ち尽くしているだけだった。突然の真ちゃんの発言に違和感を覚えて、なんとなく口を挟むタイミングを逃してしまったからだ。
『雪歩と約束があるんで』
8:名無しNIPPER[saga]
2019/10/23(水) 22:31:44.04 ID:TL91zfWYO
嘘には敢えて触れないで、私はまるで本当に“約束”があったかのように振舞い真ちゃんを自室に案内した。
これが私のくだらない処世術だった。嘘を指摘して、もし二人の間の雰囲気が悪くなってしまったら、アイドル活動にも支障が出てしまうかもしれない。
9:名無しNIPPER[saga]
2019/10/23(水) 22:39:58.70 ID:TL91zfWYO
私のアルバムを発見した真ちゃんは興味深げに写真を見ながら、時折質問を投げかけてきた。
私はそれに答えながらも、早く真ちゃんが飽きてくれないかな、と考えていた。自分の写真を見るのは苦手だった。
10:名無しNIPPER[saga]
2019/10/23(水) 22:42:29.17 ID:TL91zfWYO
「今日のサイン会でも隣にいてヒヤヒヤしたよ。あんな笑顔じゃファンにいつ愛想尽かされてもおかしくないよ?」
ほら、こんな風に笑うんだよ、と真ちゃんは笑顔を作った。
それはファンの女の子達が黄色い歓声を上げるいつものスマイルそのものだった。
11:名無しNIPPER[saga]
2019/10/23(水) 22:45:43.41 ID:TL91zfWYO
「なんでって……」
真ちゃんはフフッと笑みを零した。心底面白そうに。
12:名無しNIPPER[saga]
2019/10/23(水) 22:48:06.91 ID:TL91zfWYO
「あのね、いくつか質問してもいい?」
「構わないよ」
13:名無しNIPPER[saga]
2019/10/23(水) 22:50:39.02 ID:TL91zfWYO
そんな私の言葉を聞くと、真ちゃんは少し苦笑した。
「ボクから言うつもりだったのに、先に言われちゃった」
14:名無しNIPPER[saga]
2019/10/23(水) 22:54:46.98 ID:TL91zfWYO
「真ちゃん、『好き』って言ってほしい……」
自分の言葉に自分で恥ずかしくなって、私は真ちゃんの首元に顔を埋めてしまう。
15:名無しNIPPER[sage saga]
2019/10/23(水) 22:59:32.48 ID:TL91zfWYO
キリがいいので今日はここまでで終わります。
もし読んでくれてる人がいたら意味がわからないところで終わってて申し訳ない。
明日の夜に続きを書きます。
16:名無しNIPPER[sage]
2019/10/24(木) 03:22:08.15 ID:TxTvNBCU0
支援
17:名無しNIPPER[sage saga]
2019/10/24(木) 21:01:28.04 ID:w1xTLu/tO
読んでくれてる人がいて良かった。
続き投稿します。
18:名無しNIPPER[saga]
2019/10/24(木) 21:04:24.91 ID:w1xTLu/tO
「萩原さん、好きです。付き合ってください」
男の子からの告白は、いつだって私の気分を重くさせた。
19:名無しNIPPER[saga]
2019/10/24(木) 21:06:55.74 ID:w1xTLu/tO
数度目の告白を断った後、私は煩わしさから「萩原雪歩は男性が苦手」だということにした。
これは効果があって、告白される頻度は激減した。
もし告白されたとしても、断る理由がハッキリしているから頭を使わずに済んで楽だった。
20:名無しNIPPER[saga]
2019/10/24(木) 21:08:16.41 ID:w1xTLu/tO
アイドルとしての生活は今までよりも嘘に塗れていた。
恋さえ知らない身で愛を語る歌を数え切れないほど歌った。笑顔を作る機会は何倍にも増えた。
笑顔を作る度、(私は幸せになれない)という想いは強まっていった。
21:名無しNIPPER[saga]
2019/10/24(木) 21:10:36.97 ID:w1xTLu/tO
世界には愛が溢れている。
外に出ればそこかしこにカップルや夫婦が歩いているし、恋愛をテーマにした作品は飽きられもせずに今この瞬間にもどこかで作られている。
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